全前脳胞症とは

全前脳胞症(ぜんぜんのうほうしょう)
~holoprosencephaly~とは

先天性の大脳の奇形が原因で起きる病気。原因ははっきりしていない。
大脳は正常な場合、頭蓋骨の大半を占める大きさがあり、
右脳と左脳に分かれた形をしているが、
全前脳胞症になると、大きさも形も未発達の不完全なままになってしまう。
その為、重い障害が起こり
水頭症や下垂体低形成という病気をともなうこともある。
また口唇裂や口蓋裂など顔の奇形が現れたり、
においを感じる嗅神経の欠損、
痙攣、てんかんなどの症状が現れる。
全前脳胞症の子供は同時に染色体異常が起きているケースが多く、
「13~15.18トリソミー」という異常が確認されることがある。
全前脳胞症となった胎児が産まれてくる確率は
約1万分の1と言われている。

受精卵がうまく分裂できなかった病気卵子は、受精すれば分裂がおきます。初期の段階で、ほんの少し情報が行き違ったり、うまく伝達できないことにより、脳の形成や体の中心部分がくっつかなかったり起こる場合があります。

なぜ、この病気になるの?現在、原因はわかりません。
まれに、お母さん側に持病があるとき起こる場合もあります。遺伝子の問題も指摘されます。

治療法はあるの?形成のときに発生する病変なので、残念ながら根本的に完治させることはできません。しかし、薬で症状を緩和させたり、成長の段階で外科的な手術で生活しやすくはなります。

なぜ、生まれてきたの?この病気の子どもは、ほとんどが流産の危険に合います。そんな中でママのお腹の中が気持ち良かったんでしょうね。頑張って生まれてきたのです。お腹の中にいるときは、とても気持ちよく過ごしています。

ママやパパの責任ではありません。誰しも健康な子どもの成長を願います。でもこれは、ママやパパが悪かったのではないのです。ご自分たちを責めないでください。赤ちゃん自身が自分で選んで、あなた方お二人を選んできたのですよ。大丈夫ですよ。

将来が不安。呼吸がうまくできなかったり、ちょっとした刺激が苦手かもしれません。そんな場合は、医療的なケアが必要かもしれません。でもあなたには、たくさんの仲間がいます。病院や患者会にご相談ください。

成長するの? 将来は?普通の生活とは少し違うかもしれません。
しかし「フツウ」の基準とはなんでしょうか? このいのちには意味あって、あなたに会いに来てくれたと思います。どの子も個性です。精一杯の愛情を周囲から受けてゆっくりと育っていくと思います。そして、この子は、あなたたち親を育てていくと思います。

おねがい
この質問と回答は「天使のつばさ」へ寄せられたものを医療従事者のサポートを頂き、独自にまとめたものです。この文章を許可なく抜粋したり、引用したりしないでください。